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バセンジー犬をこよなく愛するあけんのブログ。 花&柚&くららの召使いと化し神戸の山奥からガウガウブログを配信中… 2013年末からファラオハウンドのラルゴも仲間入りデス。 

   
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ファンコーニ症候群 ***②血液ガス検査の必要性
前回の続きです

こちらも、頂いた質問への回答ですので、文章はなんかと繋がり有るなぁ~って文面です
詳しくは2012/7/11のBBSを読んでくださいねぇーっ

血液ガス検査がどうして必要かを熱く語っておりますので
まだ血ガスを出来てない方の耳に届けばうれしいなーと思います

>最後に質問

~中略~

>その詳しい内容を血ガス検査で調べたっていうことなのですか?
>今さらですが急に?と思ったので教えてくださいませませ。



さて、後半部分の血ガス検査で・・・・?の回答です。

血ガス検査をするのは、血液中の栄養であるHCO3(重曹)が
体内にいかほどあるのか、又体が酸性に傾いていないか
症状に依ってはpHやCO2などの値を参考に
この病気の重症度を調べるのが目的です。

前半の回答でおしっこに栄養がダダ漏れなんですよ…
と説明しましたが、HCO3(重曹)も同様に
尿に出てしまっているので、それを知る為の検査です。

残念ながら、普通の血液検査で解ればよいのですが
このHCO3は血ガス検査でしか解りません。
HCO3はファンコーニ症候群であれば、必ず喪失していきます。
体内に足りていないと不調が出てきますので
血液ガス検査が必要になるという訳です。

血液のお話になりますが、血液は体の内部の働きで
一定のpHに保たれるようにできてるんですネ。
そのpHが正常値より酸性になろうとしている状態をアシドーシス
逆に塩基性になろうしているのをアルカローシスと呼び
ファンコーニ症候群は、おしっこにHCO3が出て
体は酸側(アシドーシス)に傾いてしまいます。

この酸側に傾いた体を正すために
重曹(アルカリ性)を与えるのです。

重曹の投与は、体内のpHを一定に・酸側に傾いた体を正し
(なので、投与開始から血ガス検査時のHCO3の値は20以上のキープを目標とします。)
健康体に近い値に引き上げる大切なことなんです。

現に○○ちゃん(トピ主さんのバセンジーちゃん)の血液ガス検査結果ですが

>PH 7.244
>HCO3 17.9

(ワタシの解る範囲で)この2ヶ所だけでも
体が酸性に傾いているのが解ります。

花・くららが使用しているIDEXXという機種の平均値なので
値は少し違うかもしれませんが、PHの平均値は7.31-7.42で
HCO3の平均値は20-29なんですネ。

○○ちゃんの結果にあてはめると、
pHもHCO3も平均より下回っていることが解り
これは体が酸側に傾いていることを示します。

ゴントー先生の論文にも下記の様に書かれています。

* * * * * * * * * * * * *

⑦ SODIUM BICARBONATE ANTACID TABLETS- (Brands include URL, Rugby, Lily, Watson and Concord.)
⑦ 重炭酸ナトリウム塩制酸薬錠剤-(この錠剤を扱う製薬会社にはURL, Rugby, Lily, Watson、Concordがある)

This is THE MOST IMPORTANT component of this protocol.
これは本文献の最も重要な要素である。

Without correction of the Fanconi bicarbonate loss and correction of serum acid/base imbalance, this disease remains fatal.
ファンコーニ症候群における重炭酸塩喪失および血清酸・塩基平衡異常の治療無しでは、この病気は致命的なままである。

* * * * * * * * * * * * *


【結果】

普通の血液検査も、血液ガス検査も、尿から出てしまっている栄養が
血液中にどういう影響を与えているかを知る為の検査です。
足りない栄養、足りてる栄養を定期的な検査で診てもらいます。
足りてない栄養は、お薬を頂いたり、食事の内容を考えて頂いて
平均値内にもってくるよう指導してもらいます。

他に、病状は進行していないかや、違う病気を併発していないか
他の病気の初期を見過ごさないチェックにもなります。

定期的に行う検査は、ファンコーニを発病していても、
元気で健康に過ごせているかを確認する大切なコトなのです。
※↑この一文、表現を訂正しました。


又ファンコーニ症候群の病気を理解することで
誤治療を防ぐことも出来ます。

例えば、重曹投与を始め体に十分足りていると
余分な重曹は尿に出ますので、尿のpHは常にアルカリ性に傾き
通常であれば結石の心配がなされ、pHコントロールの療法食など
勧められますが、ファンコーニで重曹投与を開始していれば
尿がアルカリ性に傾くのは致し方ないことなので
pHコントロールを与える必要は有りません。

むしろその食事は低たんぱくで電解質をセーブしているので
ファンコーニの治療には向きません。

腎不全でも同様に、ファンコーニ症候群を持って腎不全を併発した場合
腎不全の療法食では、低タンパク低リン食になります。
タンパク・リン・・・これらはファンコーニ症候群で尿中に喪失される上に
食事でも摂取することができないということになり、
必要以上に栄養が不足してしまいます。


なのに、腎臓の病気だから…と腎不全を併発していないのに
腎臓サポートの療法食を勧める残念な先生もいらっしゃいます。
※赤字部分BBSと違います。追記しました。


又、点滴の話も前レスでした通り
この病気の進行を助長させてしまうような点滴もあります。

薬一つとっても、グルコン酸カリウムは有効ですが
クエン酸カリウムは有効ではない…
(黒田先生に理由を聞いて納得したんですが、
その理由を忘れちまいましたぁーごめんなさい!)

など注意点が有り、この病気をきちんと理解して下さった先生は
その点を留意しながら治療して下さいますが
それをご存じない先生の元に行ってしまうと
残念ながら誤治療につながってしまう危険が出てきます。



ココまでがBBS文面、不要なところは省いていますがほぼ原文です。

お分かりいただけると思いますが、この病気にとって食事で栄養をとることは
確実に生命の維持に繋がってるんですネ。
尿に栄養がダダ漏れなのですから、食事で補うことは必然・・・
それをまず理解してください。

ゆるやかに進行する為、なかなか危機感を持ってもらうのが難しいのですが、
定期的な検査で“現状”を知っておくことはもっとも大切な“治療”です。
更に、血ガス検査で体内の“HCO3”の値を知ること、重曹を与えることの必要性も
この文面を読んでご理解いただければと思います

ながながお付き合い頂き、ありがとうございました


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